ネコづくし 歌川国芳の猫の浮世絵に魅せられて
今年の帰省中に、横浜そごう美術館で開催されていた「ネコづくし」を観に行ってきました。
江戸時代の浮世絵には猫が多く描かれていますが、今回はその中でも特に人気の高い歌川国芳の作品がずらり。
江戸好き&猫好きの私にとっては、胸が高鳴る展示でした。
以前から「国芳が描いた猫の本物を見たい!」と思っていたので、今回の機会は本当に嬉しくて、神様ありがとうの気持ち。さらに今、大河ドラマ「べらぼう」にハマっていることもあり、期待値はMAX。ワクワクしながら会場へ向かいました。
そごう美術館の粋な演出

まずチケット売り場で入場券を購入すると、受付で小さな黄色のカードと交換されます。
これがまた粋。展示の広告にも使われている「裃を着た猫」のダイカットカードなのです。
こういう遊び心、大好き。江戸っ子の洒落って感じで、入る前からテンションが上がりました。
入口のディスプレイにも工夫が凝らされ、始まる前から“猫づくしの世界”へ誘われます。
ゆったり鑑賞できた最高の時間
館内は基本撮影禁止ですが、一部OKの作品もありました。
混雑もほどほどで、立ち止まっても流れが止まるほどではなく、自分のペースでゆっくり鑑賞できます。

今回じっくり観て、やっぱり私は「女性と猫」の構図が好きなんだなぁと再認識。
どんな物語が隠されているのか想像するのがまた楽しい。
そして、国芳の落書きのような作品にも出会いました。
『荷宝蔵(にたからぐら)壁のむだ書』の真ん中に描かれている猫ちゃんなんて“ニャロメ”にしか見えない!
漫画文化のルーツを感じるような、ユーモアのある一枚でした。
推し作品との出会い

この「鼠よけの猫」もたまらなく好き。
私のバイブル『猫絵十兵衛』の中で、十兵衛さんが描く鼠よけの絵にそっくりなのです。
江戸時代、ネズミ被害が深刻だったため、猫を飼うことはもちろん、こうした“猫の絵”を家に貼る文化もあったそう。
十兵衛ファンとして、本物に出会えたのは鳥肌級の喜びでした。
ギフトショップで見つけた宝物
「めでる国芳ブック ねこ」

展示を観終わった後、ギフトショップへ。
ここがまた危険ゾーン。素敵なものが多すぎる……!
その中から選び抜いたのがこの本「めでる国芳ブック ねこ」。
本物の浮世絵は簡単に手に入らないけれど、
この本なら“好きな作品を切り離して飾る”という夢が叶います。
紙質もこだわりがあって、小さくても満足度の高い一冊。
内容は、
最初に26作品(裏にタイトルと番号つき)
続いて49作品すべての解説ページ
最後に残りの作品が綴じてある
という構成になっています。
私は今、この本をゆっくり眺めながら、国芳の猫たちの世界に浸っています。
本当に買ってよかった!
2019年の幻となった展示

実は2019年にも展示情報を入手したのですが、滞在期間が合わず断念。
せめてもの思いで町で配られていたチラシだけ持ち帰り、ずっと大事にしていました。
今回は念願叶っての鑑賞。
ようやく自分の目でしっかり焼き付けることができて、胸がいっぱいになりました。
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御伽草子『猫絵十兵衛』 については
2022年12月の記事
『「猫絵十兵衛」と「キジトラ猫の小梅さん」』
で詳しく紹介しています。
十兵衛の育ての親・十玄先生のモデルは歌川国芳。
猫好きの名匠として登場するので、今回の展示とリンクしてさらに楽しめました。

❤ めでる国芳ブック ねこ
江戸の絵草紙屋にタイムスリップ。眺めて飾って細部を味わう60枚
定価 1,800円(税抜)
発行元 大福書林

